こんにちは、 SQL Server サポートです。
今回は、Azure 管理ポータルのギャラリーからデプロイした Azure 仮想マシン上に作成した SQL Server 2019 / 2022 (Windows OS 版) の日本語化手順 について紹介します。これらの手順は、日本語版以外の SQL Server の場合でもご利用いただけます。
Azure ギャラリーイメージより、SQL Server が含まれた仮想マシンをデプロイすることが可能ですが、現在は英語版のみの提供となっています。SQL Serverデータベースエンジン実行可能ファイルは全言語共通であるため、以下の手順を実施しなくても、日本語データの格納、取り出し、検索は可能です。データベースの既定の照合順序はデータベースを作成する際に指定可能です。テーブルの列の照合順序は、明示的に指定することもできますし、指定されない場合はデータベースの照合順序が継承されます。
管理ツールの日本語ユーザーインタフェースが必要な場合のみ、SQL Server を以下の手順にて日本語化する必要があります。リモートマシン上の日本語 UI を持つ SQL Server Management Studioから管理する場合には、以下の手順を実施する必要はありません。
◆ SQL Server 2012 、2014 、2016 および 2017 の日本語化手順は以下の ブログ をご確認ください。
Azure 仮想マシン上に作成した SQL Server の日本語化手順(SQL Server 2012 , 2014 対応手順)
Azure 仮想マシン上に作成した SQL Server の日本語化手順(SQL Server 2016 対応手順 )
Azure 仮想マシン上に作成した SQL Server の日本語化手順(Windows OS 版 SQL Server 2017 対応手順) (microsoft.com)
なお、本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点のものであり、予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
おおまかな流れは以下の通りとなります。
SQL Server と関連コンポーネントのアンインストール
OS のロケール設定を日本語に変更
日本語の SQL Server 2019 / 2022 Evaluation Edition を使用して、日本語版の SQL Server をインストール
SQL Server IaaS Agent 拡張機能再登録
SQL Server Management Studio の英語版のアンインストールと日本語版のインストール
以下のURLに従い、既存の英語版 SQL Server をアンインストールします。
文中の SQL Server 2017 は適宜 SQL Server 2019 / 2022 と読み替えて実施します。
◆SQL Server の既存のインスタンスのアンインストール (セットアップ)
--サイト内、一部抜粋--
Windows 10、Windows Server 2016、Windows Server 2019 以降から SQL Server をアンインストールするには、次の手順に従います。
--------------------
※ 手順 6 では、 既定のインスタンス MSSQLSERVER を指定します。
※ 手順 7 では、以下の画像のようにインスタンスから削除する機能を全て選択します。
※ 手順 9 について、下記のようなコンポーネントのアンインストールは必須ではありません。
なお、SQL Server Management Studio(以降「SSMS」) も日本語化する場合は、SSMS のアンインストールが必要です。
// 例
Microsoft ODBC Driver 17 for SQL Server
Microsoft OLE DB Driver for SQL Server
Microsoft SQL Server 2012 Native Client
Microsoft SQL Server 2019 T-SQL Language Service
Microsoft SQL Server IaaS Agent
Microsoft SQL Server Management Studio - 18.12.1
日本語版 SQL Server を英語版 OS にインストールする場合、事前に OS の言語設定を変更する必要があります。
具体的な言語設定方法は以下の通りです。(Windows Server 2019 / 2022 共通の手順です。)
1. Windows メニュー > [Settings] > [Time&Language] > [Language] > [Add a language] の順でクリックします。
2. [日本語 (Japanese)]を選択し、[Next] をクリックします。
3. [Install language pack]が選択されていることを確認の上、[Install] をクリックします。
4. [日本語 (Japanese)]をインストール後、必要に応じて [Preferred languages] で [Japanese] の [↑]をクリックし、[English] よりも優先するよう設定します。
5. [Windows display language] を[日本語] に変更します。
6. 一度サインアウトし、再度サインインすると、OS の言語設定が日本語になります。
ご参考)
言語パックインストール時のご留意点 | Microsoft Japan Windows Technology Support Blog (jpwinsup.github.io)
SQL Server のローカル言語版 - SQL Server | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/sql/sql-server/install/local-language-versions-in-sql-server
OSの言語設定を日本語に変更後、日本語版の SQL Server 2019 / 2022 Evaluation Edition を使用して SQL Server のインストーラーを入手します。
その後、ギャラリーの英語版 SQL Server に同梱されている SQL Server のプロダクトキーを、日本語版 SQL Server のインストール時に入力ください。
1. 下記いずれかの URL より、Azure 仮想マシン上に日本語版の SQL Server 2019 / 2022 Evaluation Edition の EXE ファイルをダウンロードします。
◆SQL Server 2019
https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/evaluate-sql-server-2019
◆SQL Server 2022
https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/download-sql-server-2022
2. ダウンロード後ファイルを実行して表示される画面にて、 [メディアのダウンロード] を選択します。
3. [言語の選択] で [日本語] を選択し、パッケージの選択欄で [ISO] を指定の上、[ダウンロード] をクリックします。
4. ダウンロードした ISOファイルをマウントし、ISO ファイル内の 「setup.exe」 を実行してインストーラーを起動します。
5. Azure 仮想マシン上で 「C:\SQLServerFull\x64\DefaultSetup.ini」 を開きます。
6. PIDに指定されているプロダクトキーを確認します。
// 記載例
// DefaultSetup.ini
********************
;SQL Server 2019 Configuration File
[OPTIONS]
PID=”XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX”
※ XXXXXの部分が実際のプロダクトキーになります。
7. 日本語版の SQL Server 2019 / 2022 のインストールを開始します。
この際、[プロダクト キー] ページで前述のプロダクトキーを入力することで、Evaluation から任意のエディションに変更できます。
※SQL Server 2022 の場合:
下図の画面で [プロダクト キーを入力する] を選択してプロダクトキーを入力します。
その上で、SQL Server のライセンスを従量課金でご利用の場合は、「□SQL SERVERライセンスのみを持っている(S)」を選択ください。
従量課金ではなく、お客様にて購入済みの SQL Server ライセンスを Azure に持ち込む場合は、「□ソフトウェア アシュアランスまたは SQL ソフトウェア サブスクリプション付きの SQL Server ライセンスを持っている(A)」を選択ください。
SQL Server 2019 / 2022 のインストール方法の詳細な確認が必要な場合は、下記弊社公開情報を参照ください。
◆ SQL Server をインストールウィザードからインストールする (セットアップ)
前述の手順で日本語版の SQL Server をインストールした後は、SQL IaaS Agent 拡張機能を再登録する必要があります。
SQL IaaS Agent 拡張機能の登録解除・登録手順についてご説明します。
設定には Azure CLI や Azure PowerShell を使用します。
※ Azure PowerShell での実行方法を記載しています。
Azure PowerShell を起動するには、 Microsoft Azure Portal サイトの画面上部右側にある以下のアイコンをクリックします。
1. 現在のSQL IaaS Agent 拡張機能の登録状態確認
下記のコマンドレットを実行して、現在の登録状態を確認します。
Get-AzSqlVM -Name <vm_name> -ResourceGroupName <resource_group_name>
ご参考)登録状態を確認する
2. SQL IaaS Agent 拡張機能の登録を解除
下記のコマンドレットを実行して、対象の [SQL 仮想マシン] リソースが削除されることを確認します。
Remove-AzSqlVM -Name <VM_name> -ResourceGroupName <resource_group_name>
ご参考)拡張機能から登録を解除する
3. SQL IaaS Agent 拡張機能を登録する
下記のコマンドレットを実行して、SQL 仮想マシンが作成されることを確認します。
※LicenseType について、SQL Server ライセンスを従量課金でご利用の場合は PAYG 、Azure ハイブリッド特典を利用したライセンス持ち込みの場合は AHUB を指定します。
# Get the existing Compute VM
$vm = Get-AzVM -Name <vm_name> -ResourceGroupName <resource_group_name>
New-AzSqlVM -Name $vm.Name -ResourceGroupName $vm.ResourceGroupName -Location $vm.Location `
-LicenseType <license_type>
ご参考)New-AzSqlVM
4. SQL IaaS Agent 拡張機能の登録状態確認
再度、手順1. と同様に下記のコマンドレットを実行して結果をご確認ください。
また、Azure portal 上からも確認が可能です。
Get-AzSqlVM -Name <vm_name> -ResourceGroupName <resource_group_name>
ご参考) 拡張機能の状態を確認する
5. SQL 仮想マシンリソースから対象のVMにアクセスできるか確認
SQL Server IaaS Agent 拡張機能に登録されたVMは Azure portal > SQL 仮想マシンメニューから管理が可能になります。
ご参考)Azure portal を使用して SQL Server VM を管理する
Azure Marketplace から SQL Server 入りの Azure VM をデプロイした直後は、 SQL Server Management Studio (以降 「SSMS」) も英語版がインストールされた状態となっております。
日本語の UI で SSMS を使用する場合は、英語版 SSMS をアンインストール後、下記のブログ記事を参考にしながら日本語版 SSMS をインストールします。
◆ SQL Server Management Studio のインストール手順
※ 日本語化手順実施後、Azure Portal 側で、[ストレージ構成] が取得できない場合がございます。
その場合は、以下を参考にしながらご対応ください。
■1. ドライブ名が既定から変更されている
SQL Server のデータファイル領域のドライブ名が既定から変更されている場合、ディスクの拡張が Azure Portal から行えないものとなりますが、下記の手順で設定の確認及び変更が可能でございます。
なお、データドライブの既定の名称は [SQLVMDATA1] となります。
(1) エクスプローラーで対象ドライブを右クリックしてプロパティを開きます。
(2) 「全般」タブの一番上の枠がドライブの名称となるため、こちらが SQLVMDATA1以外の場合、SQLVMDATA1に修正します。
(3) OS を再起動し、 Azure Portal 上でディスクの拡張が可能かをご確認ください。
■2. 既定のデータファイルパスが、拡張対象のドライブとなっていない
下記の設定が、拡張対象のドライブレターと異なっている場合には、ディスクの拡張が Azure Portal から行えないものとなります。
◆ データ ファイルとログ ファイルの既定の場所の表示または変更
この場合、下記の手順で設定を確認し、必要に応じて修正ください。
(1) SSMSを起動し該当のインスタンスに接続
(2) サーバー名を右クリックし、プロパティを選択
(3) [サーバーのプロパティ]ダイアログにて、左側の[ページの選択]から[データベースの設定]を選択
(4) [データベースの既定の場所]の[データ]部分が、拡張対象のドライブ配下となっていることを確認
もし、異なっている場合は、設定を変更し、SQL Server サービスの再起動を行い、Azure Portal 上でディスクの拡張が可能かをご確認ください。
※ 本Blogの内容は、2023年5月現在の内容となっております。
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