こんにちは、 SQL Server サポートです。
今回は、SQL Server サポート期間とサポート終了後の拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)について紹介します。
(目次)==========================
- SQL Server サポート期間について
- 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)について
- 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)適用の準備
- 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)適用の流れ
- 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)のよくある質問
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SQL Server サポート期間について
SQL Server に関するサポートをご利用の際に注意する点として、SQL Server のバージョンごとのサポート期間があります。
1つの製品にはメインストリームサポートの期間と延長サポートの期間があります。
メインストリームサポートは製品リリースから約5年間提供されます。サポート内容は、製品の不具合修正、設計変更要求、セキュリティの脆弱性対応などが行われ、テクニカルサポートへの問い合わせもほぼすべてのサポート契約で可能です。
延長サポートはメインストリームサポートが終了してから約5年間提供されます。サポート内容は、セキュリティの脆弱性など重大な問題のみ対応が行われ、テクニカルサポートへのお問い合わせはプレミアサポート契約や有償のインシデントパックなどの契約が必要です。
※本文章は5年間のサポート提供を約束するものではありませんので、各製品の具体的なサポート期間はサポートライフサイクルをご確認ください。
※テクニカルサポートへの問い合わせ可否は各サポート契約をご確認ください。
延長サポート期間の終了後は、定期的なセキュリティ更新プログラムが提供されなくなり、テクニカルサポートへの製品の問い合わせができなくなることを意味しています。
延長サポート期間終了後のバージョンで運用すると、セキュリティやコンプライアンスのリスクが大幅に高まります。そのため、お客様には最新バージョンにアップグレードすることを強くお勧めしています。
一方、新しいバージョンにアップグレードするためにはアプリケーションの動作検証なども含めて様々な作業が必要となり、時間を要することが考えられます。
そのようなお客様のためにマイクロソフトは特定の製品について拡張セキュリティ更新プログラム (Extended Security Update, 以下 ESU ) をご提供しています。
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) については、下記で紹介します。
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)について
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) は、延長サポート期間終了後の対象製品に対して、セキュリティに関する更新プログラムのご提供及びサポートへの製品の問い合わせが可能となるプログラムになります。
※ バージョンや製品によって提供有無および提供期間が異なりますのでご注意ください。
製品ライフサイクルに関する FAQ - 拡張セキュリティ更新プログラム | Microsoft Docs
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) を受けるためには2つの方法があります。
・Azure への移行
仮想マシンの利用料金と SQL Server ライセンスの利用料金以外の Azure の追加課金はございません。
SQL Server のライセンス持ち込みの場合はライセンス利用料金はかかりません。
・オンプレ環境での ESU の契約
オンプレミス環境を対象とした ESU の費用を支払う方法は、以下2種類があります。
- 時間単位の従量課金
インターネット等を経由して Azure Arc に常に接続している必要があり、時間単位で費用が請求されます。
- 年単位
EA, EAS, SCE, EES などに基づくソフトウェアアシュアランス付きのライセンスを利用している場合、1年目、2年目、3年目の単位で費用を支払うことができます。
ご参考)
Azure Arc によって有効化された SQL Server 拡張セキュリティ更新プログラム:ESU サブスクリプションの請求について
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)適用の準備
拡張セキュリティ更新プログラムは Azure Portal を経由して配布されるため、Azure Portal への登録が必要になります。
ESU費用は、年単位で支払う方法と従量課金で支払う方法の2パターンがあります。
ESU費用を年単位で支払う場合、Azure 試用版をご利用いただくことが可能ですが、試用期間は12か月のため、経過後は従量課金制に移行するか異なるアカウントで試用版を利用しての再作成が必要になります(※)。
※ESU 費用を従量課金で支払う場合
異なるアカウントを再作成すると異なる環境に対する ESU の登録であると判断され、すでに支払い済みの ESU の費用も過去にさかのぼって重複して請求されるため、再作成せずに、従量課金制に移行して継続でご使用ください。Azure Arc のみの使用であれば、 ESU の従量課金費用以外に請求はありません。
■無料アカウントサインアップ手順
1. Web ブラウザーで、Azure の無料アカウントを今すぐ作成する | Microsoft Azure にアクセスします。
2. [開始 (無料)] を選択します。
3. Microsoft または GitHub のアカウントでサインインするか、無料の Microsoft アカウントを作成します。
4. [自分の情報] ページで、適切な国またはリージョンを選択します。 氏名、メール アドレス、電話番号を入力します。 お住まいの国によっては、VAT 番号など、追加のフィールドが表示される場合があります。 [次へ] を選択して続行します。
5. [電話による本人確認] 画面で、国番号を選択し、自分がすぐに使える電話の番号を入力します。
6. テキストまたは通話で確認コードを取得できます。 関連するボタンを選択し、[確認コード] ボックスにコードを入力して、[コードの確認] を選びます。
7. 確認コードが正しい場合は、有効なクレジット カードの詳細を入力するように求められます。 カード情報を入力し、[次へ] を選択します。
8. 最後の手順では、契約とプライバシーに関する声明を確認し、[サインアップ] を選択します。
登録後は Azure Portal(https://portal.azure.com/) より、作成したアカウントでサインイン可能です。
ご参考)Azure 試用版利用方法
Azure 無料アカウントを使用して無料サービスを作成する - Microsoft Cost Management | Microsoft Learn
■最新のサービスパック適用
拡張セキュリティ更新プログラムを適用するには、ご利用のバージョンの最新の Service Pack を適用しておく必要があります。
参考として、2024年7月18日現在の公開情報の内容を記載します。
拡張セキュリティ更新プログラム FAQ - SQL Server | Microsoft Learn
***** 抜粋 *****
拡張セキュリティ更新プログラムのメリットを活用するためには、最新の SQL Server Service パックを実行している必要がありますか?
はい。ESU を適用するために、最新の Service パックを使用して SQL Server を実行する必要があります。 Microsoft では、最新の Service パックに適用可能な更新プログラムのみを作成します。
***** 抜粋 *****
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)適用の流れ
- Azure
Azure 上の環境で、SQL 仮想マシンの自動修正が有効化している環境は自動的に適用されます。
ご参考)Azure 仮想マシンでの SQL Server の自動修正 (Resource Manager)
SQL Server VM の自動修正 (Resource Manager) - SQL Server on Azure VMs | Microsoft Docs
- オンプレミス
下記の公開情報に記載の手順を参考に、Azure Arc から更新プログラムを取得してください。
延長セキュリティ更新プログラムとは - SQL Server | Microsoft Learn
従量課金でのESUの購入はこちらを参照ください。
Extended Security Updates - SQL Server enabled by Azure Arc | Microsoft Learn
拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)のよくある質問
ESU に関するよくある質問は、こちらのリンクをご確認ください。
拡張セキュリティ更新プログラム FAQ - SQL Server | Microsoft Learn
製品ライフサイクルに関する FAQ - 拡張セキュリティ更新プログラム | Microsoft Learn
以下は、特によくお問い合わせいただくご質問です。
Q. 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) がリリースされたかどうかはどこで確認すればよいですか。
A. ESU がリリースされた際は、Azure Arc の画面のほか、下記サイトで確認できます。
SQL Server の最新の更新プログラムとバージョン履歴 - SQL Server | Microsoft Learn
延長セキュリティ更新プログラムとは - SQL Server | Microsoft Learn
Q. Azure Arc の登録に費用はかかりますか。
A. Azure ArcにSQL Serverを登録する費用はかかりません。
ESUをオンプレミス環境のSQL Serverに適用する際の追加費用としては、ESUをご購入いただく分のみとなりますのでご安心ください。
Q. Azure で稼働中のSQL Server 2012 へ 手動でESU の適用ができますか。
A. はい、可能です。
Azure VM にてSQL Server を利用されるお客様は、修正プログラムの自動適用が無効にされている場合、Windows Server の「更新プログラムの確認」にて、ESU の確認及びインストールすることが可能です。
Q. オンプレミス環境の SQL Server 2012 へ自動でESUを適用する方法はありますか。
A. Azure Arc に接続することでパッチの自動インストールが可能です。
SQL Server を Azure Arc に自動的に接続する - SQL Server enabled by Azure Arc | Microsoft Learn
Q.SQL Server 2012 ESUの利用は、Azure サブスクリプションへの登録が必要と認識しています。どのサブスクリプションに登録すればよいですか。
A. ESU を利用するためのサブスクリプションに制限事項はありません。
すでに登録いただいている既存のサブスクリプションでも、新規作成したものでもどちらでも問題ありませんので、ご都合のいいサブスクリプションをご利用ください。
Q.Azure Arc での対象のインスタンス登録時に[請求書ID] セクションに入力するESU 請求書番号とは何でしょうか。
A.ESU請求番号(またはESU ID)とは、ESU ライセンスをパートナー様から購入した際に払い出される番号となります。購入時の請求書をご確認ください。
登録いただくことで、お客様にて、対応する ESU の購入情報との組み合わせの管理にご利用いただけるものとなります。
Q. SQL Server 2012 のESU を利用するためにAzure の手続きの前提条件として「Azure Connected SQL Server Onboarding ロールを割り当てます。」とありますが、どこに割り当てるのでしょうか。
A.SQL Server のインスタンスの登録を行うユーザーに対して[Azure Connected SQL Server Onboarding] (日本語の場合は[Azure Connected SQL Server オンボード])ロールを付与してください。
Q.ESUを購入したらサポートへの問い合わせができますか。
A.ESU をご購入済みかつサポートプランをお持ちのお客様は、サポートへのお問い合わせが可能となります。
Azure に移行した場合は、Azure サポート プランで技術サポートを受けられます。
Q.ESUの2年目のみ購入するなど、一部だけ購入することはできますか。
A. いいえ、できません。
ESUの 1 年目を購入していない場合は、1 年目と 2 年目の拡張セキュリティ更新プログラムを購入する必要があります。同様に、 3 年目に初めて購入する場合は、3 年間の拡張セキュリティ更新プログラムをすべて購入する必要があります。
ESU費用を従量課金で支払う場合、 "ESU の提供開始時刻" から "従量課金での支払い登録を行った時刻" までの累積の時間単位の料金が最初の1時間以内に請求されます。つまり、ESU 提供開始から半年後に従量課金の支払い登録を行った場合、半年分の ESU 費用が最初の一時間以内に請求されます。
Q.ESUの2年目(3年目)を購入したのですが、Azure Arc上で再度インスタンスを登録する必要がありますか。
A. 1年目および2年目の購入時に Azure Arc にすでに登録済みの場合は、既存の登録済みのインスタンスに対し、新しく購入した請求書IDを紐づけることで Azure Arc上の ESU 有効期限が更新されます。
ESUの3年目をご利用になる場合は、そこまでのESUも購入する必要があるため、3年目を登録時には1,2,3 年目すべてのESU請求書番号がインスタンスに紐づけられた状態で登録します。
//画面例
請求書ID登録後、有効期限が更新されます。
//3年目のESUご利用の場合、1-3年目すべてのESU請求書番号を登録します。