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Guest blog post by: Chisa Minoda

 

日本語でお読みくださっている皆様、こんにちは! AvePoint Japan でコンテンツ マーケティングを担当しております蓑田(みのだ)と申します。

 

Microsoft Teams の導入・利活用関連の製品・サービスに関する翻訳やコンテンツを担当しておりますご縁から、Microsoft 社・シニア プログラム マネージャーの Laurie Pottmeyer 氏の「日本のお客様にも、Microsoft Teams の最新情報をお届けしたい」 というご意向を受け、Microsoft Teams MVP の皆様のルックバック ブログの翻訳を担当させていただくことになりました。


初の試みであり、至らぬ点もあろうかとは存じますが、日本語読者の皆さまの Microsoft Teams 利活用に多少なりともお役に立てれば幸いです。

今回翻訳させていただいたのは、Loryan Strant 氏のまとめによる Ignite Live Blog: THR1043 Best Practices for supporting user change mgmt for Teams including SfBです。

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Title: Skype for Business から Microsoft Teams へ: チェンジ マネージメントの観点で考える、ユーザー サポートのベスト プラクティス 

Skype for Business から Microsoft Teams への転換は、Live Communications Server 2003/2005 から Office Communications Server 2007 へのアップグレードや、Office Communications Server 2007 + Live Meeting 2007 から Lync Server 2010 へのアップグレード、あるいは Lync Server 2010/2013 から Skype for Business 2015 へのアップグレードのような比較的単純なものとは異なり、検討しなくてはならない課題の多いプロジェクトとなります。

これは、後者のアップグレードは、突き詰めればサーバーとクライアントのアップグレードであるのに対し、S4B からTeams への移行は、業務の進め方・考え方そのものの転換が必要となるからです。

もちろん、この二者には共通項もたくさん存在します。しかし、多くの組織にとって、Microsoft Teams の導入はとりもなおさず、新しい働き方への転換を意味します。この転換を成功に導くためには、チェンジ マネージメントの考え方を採り入れる必要があるのはそのためです。

 

このセッションの開催場所として Debbie Arbeeny 氏が割り当てられたのが、オープン ホールウェイ シアターであったことは幸運だったと思います。このような形式の開催場所を嫌がる向きもありますが、以下の写真でもわかるように、3 階バルコニーにまで及ぶ多くの聴衆が集まりました。

 

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どこまでも続く立ち見の観衆THR1043 2.jpg

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Arbeeny 氏はまず、チェンジ マネージメントと育児の類似点から話を始めました。チェンジ マネージメントも育児も、一晩ですべてが終わるというものではなく、継続的な変化をもたらすためには、支援とともに、対象が伸びる環境の醸成、そして導きが必要であるところが共通しています。

【具体的なメリットを打ち出す】
Skype for Business から Microsoft Teams への転換を成功させるためには、まずはペルソナとユースケース シナリオの理解、バリュー メッセージの打ち出し方といったところから始める必要があります。

ただ単に 「Skype から Teams にアップグレードします」 ではなく、「皆さんのチームの働き方と、あとは 《具体的なメリット》 があるので、この部署は Skype for Business から Microsoft Teams に移行します。移行することで、こんなことができるようになりますよ、こんなメリットがありますよ」 という姿勢を打ち出すことが重要です。


【…しかし、やり過ぎは禁物】
Skype for Business から Microsoft Teams への転換は、単純にルック・アンド・フィールが変わる程度の変更ではなく、もっと抜本的な変更であるため、Arbeeny 氏は 「あまりにいろいろ変え過ぎないようにすることも大切」 と説明しました。同氏によると、Teams への転換と同時に発生することが考えられる変化 (別のテクノロジーやプロセスへの移管、デバイスのアップグレードやオフィスの移転なども含めた物理的な変化など) も一緒に考え、あまりに大きな変化が同時に発生しないように配慮することも重要であるとのことです。

【多様性に対応できる、重層的なサポート体制を】
同氏はまた、変化を成功させるためには、アウェアネス キャンペーン、トレーニング、サポートなどを重層的に用意することの重要さを強調しました。これは、同じ組織に所属はしていても、働き方や物事の捉え方、学習の方法などは個人によって異なるためである、との説明が加えられました。


【ピア チャンピオンはなぜ重要か】
もうひとつ重要なポイントとして同氏が指摘したのは、変化やその内容、心構えについてチームメイトたちに伝えてくれるピア チャンピオンの助力を仰ぐことの大切さでした。

IT 部門やマネージメント層が、組織のひとりひとりのレベルまできめ細やかな変更対応策を用意することは、現実的にいって困難なものがあります。「上から」 では手の届かない細やかさで、一般ユーザーと同じ目線で考え、同じ現場に立つチームメイトとしての立場から仲間を支えることができるピア チャンピオンの存在は、この意味で非常に貴重なものといえます。

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同氏はまた、Skype for Business から Microsoft Teams への転換によってもたらされる変化は、企業・組織が手に追えるレベルのものでなくてはならない、と強調しました。

例えば、初日から 「はい、これが変更点全部です」 とばかりにトレーニングを行うのは避けるべきです。そのかわり、現在ユーザーが Skype for Business をどのように利用しているかを把握し、Microsoft Teams ではそれらのアクションをどのように実行できるか、という観点からトレーニングをスタートさせるほうがはるかに有益です。このような観点でトレーニングを行うことで、変化が大きすぎて戸惑うユーザーの負担を軽くすることが可能になります。


このようなチェンジ マネージメントの実例として、同氏は実際に顧客が実施したトレーニング“LyncNation” について解説しました。このプログラムでは、エンド ユーザーは毎週新しい課題を与えられますが、課題のクリアには 「やったことのないアクションを一つだけ実行する」 だけで充分と設定されました。結果、エンド ユーザーには 「トレーニングがこんなに単純=使うのが簡単なツール」 との印象を与えることができ、利活用率は期待を大きく上回るものとなりました。

 

【フィードバックを重視し、シャドー IT を防ぐ】

Arbeeny 氏は、フィードバックのループをしっかりと確立し、導入を担当するチームにユーザーの声が届くような環境の重要さについて説明しました。ユーザーのフィードバックを導入に反映することができるようなコミュニケーション体制の確立は、ユーザー エクスペリエンスの向上ばかりではなく、使用量と突き合わせて 「ユーザーは Microsoft Teams の利用をどのように捉えているか、使って便利だと思っているか」 を実際にデータ化することにも役立ちます。

また、経営層やマネージメント陣に先陣を切って Teams を使ってもらい、脱メール/Skype for Business を実現する 「リーダー先行型」 の変化が有効である場合もあります。


ただし、「Teams 以外のオンライン ツール」 にユーザーが流れていってしまい、その結果としてシャドー IT の拡大などの事態が起きないよう、注意しておく必要はあります。このような事態は、ユーザー エクスペリエンスの低下と、場合によってはデータロスなどのインシデントの火種となり得るからです。

 

【事前準備の大切さ】
Arbeeny 氏はセッションの締めくくりとして、変化をポジティブなものとして提示すること、サクセス ストーリーを共有することの重要さに触れました。「他社・他部署にはこの変化の結果、こんなメリットがあった」 という、「同じ目線」 でのサクセス ストーリーの共有は、エンド ユーザーの間に 「自分たちにもできそうだ」 という雰囲気づくりにつながります。

 

また、登場する新機能について 「こんなこともできるようになる」「こんな便利な機能が出た」 と、ポジティブな情報を発信することも重要です。3-5年に一度変更があるかないかであったオンプレミス版とは異なり、オンライン版では数週間おきに機能変更が発生するからです。

最後に同氏は聴衆に向け、前もって準備をしておくこと、そして登場する新機能について知っておくことの重要性について力説しました。機能を知っておくことで、ユーザーへの情報発信やサポートも適切に行うことができるようになります。


【おわりに】
全体として、同氏の提案は Microsoft Teams への転換だけではなく、組織で起こるどのような変化にも適用できるものでありつつ、Skype for Business から Microsoft Teams への転換を成功させるためには絶対に抑えておきたいポイントを示してくれた、と感じました。